エコアクション21って?行政書士&審査員補が解説。

エコアクション21は、環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)です。このページでは、エコアクション21の概要、建設業者・産廃業者・工場等で導入するメリット、認証されるまでの流れについて、現役の行政書士でエコアクション21の審査員補である遠藤が、わかりやすく解説していきます。

目次

エコアクション21とは

私達の住む地球は、気候変動(地球温暖化)を含む様々な環境問題を抱えています。2015年に国連気候変動枠組条約第21回締結国会議にて、196カ国が参加する「パリ協定」が締結されました。この協定は、21世紀後半(2050年)には、温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出を実質ゼロとすることを目標としており、これまで当たり前に使用してきた石油や天然ガスといった化石燃料の多くが使いたくても使えない時代が、目前まで迫っています。

火力発電の主力はLNG
横浜火力発電所

CO2ゼロを求められる時代に「環境経営」という視点を。

環境省が策定したエコアクション21は、「環境経営」の認証・登録制度です。環境経営とは、企業が環境問題に取り組みながら、企業価値を高めていく経営戦略のことです。例えば、エネルギー消費を抑えることがコスト削減に繋がり、経営状況も改善される、といった具合です。

エコアクション21はPDCAサイクルを基本としていますので、組織や事業者が環境経営に継続的に取り組めるようになります。

STEP
Plan

環境負荷を把握し、経営上の課題やチャンスを踏まえ、環境経営の方針・目標を立てます。

例:電気使用量や二酸化炭素排出量を把握し、事業活動と環境負荷等がどういった関係にあるのかを評価します。その上で環境経営の基本方針を立て、排出量を減らす等の目標を立てます。

STEP
Do

目標達成のための仕組みを作り、行動します。

例:パソコンにサブモニターを導入、紙を用いなくても作業しやすい環境を作った上で、紙書類を原則廃止し紙ゴミを大幅に削減する目標を立て、実行します。

STEP
Check

取り組みの結果を分析し、評価します。

例:電力使用量、CO₂の排出量、ゴミ、コスト等の削減ができているか、結果を分析、評価します。

STEP
Act

評価(Check)をもとに、次の改善へつなげる活動を実施します。

例:会社全体ではなく、部門別に排出量を把握する必要がありそう→来年度に実施する。

環境経営レポートにまとめて公表

取り組みは、環境経営レポートにまとめて年度毎に公表します。

企業の取り組み事例は、エコアクション21のサイトにて公表されているので、ご参考までに紹介します。

エコアクション21の取組事例(エコアクション21)

エコアクションとISO14001との違い

エコアクション21とISO14001は、いずれも企業や組織が環境保全活動を体系的に進めるための環境マネジメントシステムですが、初めてEMSを導入する企業にとっては、どちらを導入するのか悩みの種かもしれません。その性格や導入のしやすさ、対象とする企業規模などにおいて明確な違いがあります。

ISO14001は、国際標準化機構(ISO)が策定した国際規格であり、世界中の企業や組織が対象です。一方、エコアクション21は日本の環境省が策定した国内規格です。

スクロールできます
EMS比較ISO14001エコアクション21
規格の策定主体国際標準化機構(ISO)環境省
取得企業数(2025年5月末時点)約12,547社約7,549社
認証取得費用(目安)80万円〜30万円〜
維持費用(目安)40万円〜/年10万円〜/年
環境活動結果の公表任意必須(環境経営レポート)
審査員の助言・アドバイスなしあり

エコアクション21はISO14001と比較すると取得費用が総じて安く、小規模な事業者でも金銭的な負担をかけずに始められる制度です。審査員が環境改善のための助言や指導を行うことが認められており、初めてEMSを導入する企業にとっては、審査員から助言や指導を受けながら環境経営に取り組めることは大きなメリットです。

エコアクション21を導入するメリット

エコアクション21を導入することで、継続的に「環境経営」に取り組むことになります。環境経営に取り組むことで下記のようなメリットがあります。

  • 生産性や歩留まりの向上
  • 資源やエネルギー消費の削減
  • コストの削減
  • 環境負荷の削減
  • 社員のモチベーション向上
  • 経営上の課題とチャンスを理解

また、二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量ゼロが求められる時代がすぐそこまで近づいているなかで、他企業に先んじて環境経営に取り組むこと自体が、企業の優位性を生み出します。

認証取得企業では、エコアクション21のロゴマークの使用が可能に

認証取得企業は、エコアクション21のロゴマークの使用が認められています。私の住んでいる街でも、ゴミ収集車(パッカー車)にエコアクション21のロゴマークのシールが貼られています。

認証・登録することで、企業のイメージアップに繋がることはもちろん、環境経営に取り組んでいる企業として、取引先からの信頼も高まる可能性があります。

建設業:経営事項審査で加点

建設業者における脱炭素社会実現のため、2023年1月より、経営事項審査に「エコアクション21」が評価対象として追加されました。大臣許可の場合、ISO14001が登録(5点)され、とエコアクション21(3点)も認証されている場合は合算せず、ISO14001の5点のみ加算されます。

エコアクション21及びISOの認証範囲に建設業が含まれていない場合や、会社単位ではなく(建設業法上のすべての営業所が含まれず)特定の営業所単位での認証となっている場合は、評価対象外となります。

都道府県での加点方法は、それぞれの行政庁により異なります。

エコアクション21 認証・登録の流れ

エコアクション21の認証にあたっては、認証を受ける前に十分な事前準備を行い、その後に認証・登録を受ける流れとなります。事前準備に、半年〜1年程度はかかりますので、注意が必要です。

事前準備とは

エコアクション21の認証・登録を受けるためには、7つの基本要件を満たす必要があります。(詳細はガイドラインをご参照ください)

  • PDCAサイクルに基づく環境経営システムを適切に構築していること
  • 構築した環境経営システムを3ヶ月以上(PDCAを一度回している)適切に運用し、維持していること
  • 環境負荷を把握し、必要な環境への取組を適切に実施していること
  • 代表者による全体の評価と見直し・指示が適切に行われていること
  • 環境経営レポートを定期的に作成し、公表していること
  • 環境への負荷及び取組状況の自己チェックの内容,環境経営方針,環境経営目標,環境経営計画の内容,並びに環境経営レポートの内容が整合していること

これらの要件を満たすための事前準備が必要となります。初期調査の後、環境経営システムの構築準備を行い(Plan)、環境経営システムを回し(Do)、評価(Check)、見直し(Action)を経て、環境経営レポートを公表するまでに最低でも半年、通常1年程度かかる可能性があります。

認証・登録の手順

事前準備が済んだら、地域事務局に認証・登録のための審査を申し込みます。無事に認証・登録されるまでの流れは以下のとおりです。

STEP
審査の申し込み

認証・登録を希望する事業者は、審査申込書を環境経営レポートとともに地域事務局に郵送し、審査の申込みを行います。

STEP
審査員の選任

事務局は審査を担当する審査員を選任し、受審事業者に通知します。

STEP
書面審査・現地審査

審査員は事務局及び受審事業者より、審査に必要な書類を受領します。審査員は地域事務局より派遣され、登録審査(書類審査・現地審査)を実施します。

STEP
判定委員会にて認証・登録可否判断

審査員は、審査の結果を審査結果報告書に取りまとめて地域事務局に提出します。地域事務局の判定委員会は、審査員の報告に基づいて受審事業者の認証・登録の可否を判定します。中央事務局は、受審事業者の認証・登録の可否を判定委員会の報告に基づき判断、その結果を受審事業者に通知します。

STEP
認証・登録手続きが完了

認証・登録を受ける場合は、受審事業者は中央事務局に審査費用及び認証・登録料を納付し、中央事務局と受審事業者は認証・登録契約を締結します。受審事業者に認証・登録証が送付され、エコアクション21ロゴマークの使用が認められるようになります。また、事業者の環境経営レポートは中央事務局のウェブサイトで公開されます。

STEP
中間審査(1年後)・更新審査(2年後)

認証・登録は、2年ごとの更新となります。認証・登録事業者は認証・登録の1年後に中間審査を行い、中間審査の1年後に更新審査をそれぞれ受審します。認証・登録時と同様の手続きを経て、認証・登録が更新されます。

環境法令の知識が大切です

エコアクション21では、PDCAの「P」(Plan)のなかで、要求事項5「環境関連法規などの取りまとめ」として、組織に適用される環境関連法規を適切に把握し、遵守することを求めています。

一概に「環境関連法規」と言っても、相当数の法律や施行規則に加え、各都道府県・市町村の条例等があり、それらの法律を把握するのは大変です。普段から環境法令に関する情報を収集するなどの工夫が必要です。

環境関連法規(一例)

エコアクション21の導入なら、多摩川行政書士事務所にご相談ください

エコアクション21は、コストの削減や環境法令への対応を適切に行うことで、経営の改善・強化につながる便利な制度です。ただし、導入にあたってそれなりの手間がかかりますので、取り組むのに勇気の要る作業かもしれません。

当事務所では、エコアクション21の導入をお考えの事業者様のご支援を行っております。お悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

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